
| 愛知県宝飯郡音羽町→関川神社→尾崎屋→大橋屋→長沢→本宿→山中八幡宮(9km:3時間) |
■ 赤坂宿について ■(2000年1月8日)曇り![]()
旅のガイドブックには広重の昔から旅情を誘う絵や写真が満載だ。
連子格子の家や瓦屋根の一部を見せるだけで読者の脳裏には江戸の街道が
映し出されてしまう。
旅人も赤坂の有名な旅篭の二階から格子越しに街道を眺めてみたいと思った。
時を撓やかに越えてみたいと想った。しかしその願望は現実の前に脆くも崩れ去った。
御油から1.7kmと東海道五十三次宿駅の最短距離、そのためか朱印状に御油と
併記され両宿で一宿扱いをされた。赤坂は幕府の直轄地でありながら
吉田・御油と並んで遊女の多い歓楽街として栄えた宿場である。
「御油や赤坂吉田がなくばなんのよしみで江戸通い」
「御油や赤坂吉田がなけりゃ親に勘当うけやせぬ」
江戸時代の俗謡が当時の様子を物語っている。
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■ 関川神社・芭蕉句碑~尾崎屋 ■約4~500m![]() ![]()
松並木が終わると赤坂の宿に入る。左に関川神社(写真中)、
境内には樹齢800年の天然記念物の大楠と芭蕉の句碑
「夏の月御油より出でて赤坂や」がある。
道を進み左路地奥に長福寺
(赤坂長者の娘、力珠は大江定基と恋仲だったが別離の悲しさから自害した。
定基は遺骸を七日間抱き続けたが異臭が発するに至り埋葬した。
境内には力珠の愛執の念が入った上臈石がある)
交差点右角に民芸品を売る尾崎屋がある。軒行灯が街道の面影を残す。
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■ 浄泉寺の蘇鉄~旅篭・大橋屋 ■約1~200m![]() ![]()
ここは赤坂紅里という宿場の中心だ。
斜め前には浄泉寺(広重の赤坂宿に出てくる中庭の蘇鉄が移植されている。境内の石像百観音は壮観)
その先には赤坂宿と言えば旅篭大橋屋(1649年創業、現在の建物は1715年頃建てられた
江戸時代を残す代表的な有形文化財)・・・・周囲の環境が想像と違っていた。
夢だった連子格子から眺める街道はすでに無い・・・。
僅かに残る昔をいつまでも残してください。
傷心状態を嘲笑うかのように乱暴な足は赤坂宿を去っていく。
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■ 音羽中学~長沢一里塚 ■約1~2km![]() ![]()
12時:音羽中学校前の広い道に出た。風が強く寒い。家並みも少なくなりやがて静かな自然道を行く。
寒風の中、道にぽつんと栄善寺への石碑が立っていた。
(栄善寺=1272年円空上人の創立、弘法大師がこの地で大日仏を刻み、盲目の男を治したという伝説がある)
八王子橋を越え高速道路下を抜けると長沢一里塚跡があった。
しばらく音羽川の流れを左に見ながら歩いて行く。
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■ 観音堂跡~国道1号 ■約3~4km![]() ![]()
児子神社石柱・誓林寺を抜け、横の小さな橋を過ぎると古い家並みが目に付く。
先の観音堂跡には「みほとけ」歌碑がある。
(観音堂の尼が旅人の落馬事故を機に歌人の磯丸に歌を頼み念仏供養に建立)
秋葉常夜燈の先で旧道は終わり国道1号と合流。
騒音と車のスピードとのギャップ、心の葛藤で国道は果てしない道となる。
やっぱり国道は辛い!・・・国道歩きがまんぷく状態になった頃、
旧道入口の目印「ドライブインまんぷく」の黄色い看板が見えてきた。
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■ 本宿旧東海道入口・記念碑 ■約2~300m![]() ![]()
やっと国道と別れ岡崎市本宿に入る。嬉しい平成東海道のモニュメントがあった。
整備された道の先には冠木門、そして東海道の案内板、道標に左東海道とある。
ここを左折して旧道を進む。すぐに法蔵寺は見つかった。正月の霊場巡りなのか
観光バスが2台、慌ただしくお寺から出る所だった。
江戸から歩いて来た男は何故か胸を張ってゆっくりと階段を上がって行った。
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■ 近藤勇首塚(法蔵寺)~本宿一里塚跡 ■約4~500m![]() ![]()
境内左奥に新選組隊長、近藤勇が眠っている。時代に翻弄されながら、
やっと掴んだ武士道を・・
(江戸板橋で斬首された近藤勇の首は京都三条河原で晒されたが
三晩目に同士が奪還し、近藤と生前親交のあった同寺に埋葬された。台座には土方歳三以下11名の名前が記されている)
司馬遼太郎の「燃えよ剣」の新選組が好きでした・・・
街道は歴史ある家並みを残し、旅人は本宿一里塚跡辺りを歩いていた。
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■ 名電の街~山中八幡宮 ■約2~3km![]() ![]()
旧道には本宿本陣跡や長屋門(解説)などが点在している。
やがて国道1号を横断し、名古屋鉄道の赤い電車と並行する旧道を歩くようになる。
延命地蔵尊を過ぎた頃から、食べる事ばかりを考えていた。昼飯はサンドウィッチ
だけだったし・・
国道と合流した。道路の向こうに超大きな常夜燈が見える。
その山中八幡宮を見学、来た道を戻らずに
八幡宮の横の道から近道をして国道へ出ようと賭けに出た。
・・よーし出られた!・・ハラペコの旅人とっては大きな賭けだった。
・・・2時半、歩きながら魚肉ソーセージを丸かじりをしている非常事態の男がいた・・ (行程3時間・2000.1/8(土):万歩計=計測中) |
37.御油宿~赤坂宿へ
39.藤川宿~岡崎宿へ
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